暑さ寒さも彼岸までというように、あの猛暑でしたが、すっかり、秋風が吹くようになりましたね。
皆様、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。16回生 渡部敦子でございます。今月はお待ちかね、関昭典先生のご登場です。さあ、ご覧下さい。
県立新潟女子短期大学在勤中にお世話になった教職員の皆さま、学生の皆さま、大変ご無沙汰しております。時が過ぎるのは早いもので、2007年に東京経済大学に異動してから既に11年が経過しました。この間貴学を訪問したのは2~3回に過ぎず、不義理を恥じております。それにも関わらず、今回このような機会を与えていただいたことに、心より感謝申し上げます。
以下、いただいたご質問の回答させていただきます。
①学生時代はどんな学生さんでいらっしゃいましたか。
田舎の学校(六日町高校)でバスケットボールに明け暮れた果てに大学受験に失敗して一年浪人。それでも志望する大学には入れずに入学した新潟大学教育学部(中学校教員養成課程英語科)でした。教職を目指していたわけでもないのに、今はなき新潟予備校のチューターの方の指示に従っての進路選択。入学後はどの科目にも興味を持つことができず、授業にまともに出席もしないまま最初の一年間が過ぎてしまいました。夜は私のアパートの部屋がたまり場となり夜中まで盛り上がり、旅のためにひたすらバイトをして・・・。大学一年生の私は、ただの「愚かな学生」としかいいようがありません。「愚かにも満たない」と言った方が適切かもしれません。これ以上書くと、シュリンプクラブの品位をも落としかねないので省きます。
大学二年次から、専門の授業が急に増え無理やり勉強せざるを得ない状況に置かれました。一学年学生数11名に対して専任教授が7名もいました。この分野にあまり興味がなかったので何とか逃げ道を探りましたが無理でした。ただでさえ課題が多いことが有名な学科(であることを知らずに入学した)である上に、毎週100ページの本一冊翻訳などという、今だに理解に苦しむ課題もこなさねばならず、義務的に課題に取り組む悶々とした日々が続きました。
そんな中、ただ1つだけ(誇張ではなく、学部時代に興味を持って取り組んだのは1科目だけです)惹きつけられた科目がありました。3年次から受講した「英語科教育法」です。大変厳しいことで有名な方が担当されており、毛嫌いする学生も少なくなかった中、私はこの授業だけ真剣に取り組むようになりました。授業では英語学習者の実践的コミュニケーション能力を高める最新の手法や、学習者中心の英語指導法が次から次へと紹介されました。伝統的な訳読法での英語教育を受け、自分の英語力に強いコンプレックスを抱いていた当時の私は「こういう授業を受けていれば、自分も英語ができるようになっていたのに!」と悔しがりつつも、「英語の授業って、こんなに面白くできるんだ!」という感動で何度か鳥肌が立ったのも覚えています。
3年次に半強制的に入れられた言語学系のゼミ。しかし、3年終了時に勇気を振り絞ってゼミ指導教官に辞退を申し出て卒論のテーマを英語教育に変更しました。これが今の仕事にも繋がっています。元々、目標が定まるとそれに向かって邁進するタイプなのでこのときから急に、いわゆる「真面目な」大学生に大転換しました。大学1年次と大学4年次の私はまるで別人です。
②県短時代の思い出深いエピソード
県短在任中、すべての年度の入学式・卒業式の写真を今でも大切に保管しています。今この原稿を書いている研究室にも、県短時代の写真や色紙がたくさん張ってあります。どの年度の学生さんたちも印象深くて、私の心の中は皆さんとの思い出でいっぱいです。
ただし、数限りない思い出の中であえて一つ上げるとするならば、担当した「資格英語」という授業における一週間の学習記録表のチェックとコメント書き作業。2クラス合わせて90名以上の学生の学習状況を確認し、エクセルに入力し、コメントを書いて翌週の授業に返却するのは、とてもとても労力の要するものでした。研究室にいる空き時間のほぼすべてを学習記録表のチェックに費やしていたといっても過言ではありません(あまりに大変すぎて、最後の一年はゼミ生に手伝ってもらいました)。しかしそのおかげで、県短の学生の英語学習の実態をかなり詳しく把握し根拠に基づいた指導を行えるようになりました。さらに学習記録表の記入された学生さんの振り返りコメントは私の研究を推進し、その成果を全国各地で発表させていただきました。
③近況
2007年に東京経済大学に赴任し、今年で12年目となります。この間、タイ・ネパールで2年間の国外研究の機会もいただきました。県短時代は英語学習方略や英語学習動機づけに関心を持って教育・研究活動に取り組んでいましたが、近年は「共通言語での異文化間交流によって関係性を深める手法」に焦点を当てて活動しています。赴任当時は英語や教職科目を主に担当していましたが、最近は「異文化コミュニケーション」や「国際学」なども担当しており、私が英語教師であることを知らない学生の方が多いかもしれません。
2008年にアジア教育交流研究機構(英語名 AAEE, Asia Association of Education and Exchange)という国際教育団体を立ち上げ、国際交流事業や国内での国際協力啓発活動に取り組んでいます。この団体、日本ではあまり知られてはいませんが、実はベトナムやネパールなどアジア各国ではかなり名の知れた団体に成長し、フェースブックでは18000人ものファンの応援を受けています。外務省やJICAにも応援をいただき、JICA地球ひろばの国際会議場や首都圏の高校・大学などで学生主体のイベントや出前授業的なこともやっています。興味があればお声がけください。新潟にも呼んでいただければいつでも行きますよ!
アジア教育交流研究機構 webpage http://aaee.jp/
フェースブックページ(英語のみ)https://www.facebook.com/AsiaAssociationOfEducationExchange/?ref=settings
④今後の抱負
「目の前の学生、生徒を第一に考える」これが学生時代の恩師から学んだ一番の教えであり、これまでもそれを目指して取り組んできました。今後もそれを継続するのみです。ただし、「目の前の学生」の範囲が、大学のゼミ生や東京経済大学の学生のみならず、国際協力や交流に興味を持つ国内外の学生に広がってきたので、これまで以上に益々元気をだして頑張っていきたい!と自分に気合いを入れています。
⑤シュリンプクラブ会員に向けてのメッセージ
私はシュリンプクラブのおかげでこうして皆さんと再会することができました。とても感謝しております。皆さん、私たちの同窓会、シュリンプクラブを応援しましょう!
⑥追記
シュリンプクラブ事務局の渡部さんより、教え子の学生さんを紹介してほしいという依頼を受けました。私の教え子たちは本当に素晴らしい方ばかりで全員を紹介したいところなのですが、すぐに様々な分野で生きておられ連絡がすぐにつきそうな方々にとりあえず情報を流しました。そしたら一気に14名もの方々が執筆をご快諾をしてくださりました。ありがたい限りです。さらに渡部さんのご厚意で「関先生チルドレンイアー」と名付けていただき、再来月から一人づつ登場します。皆さん、苦労しつつも素晴らしい人生を送っているのでぜひ楽しみにしていてください!
それでは、また逢う日までさようなら~!
いかがでしたでしょうか?皆様から、きらりシュリンプ人を楽しみにしています、と仰って頂けるのは、快くご寄稿を引き受けて下さる方々のお陰でございます。関先生は一気に14人の素敵な方々をご紹介して下さり、ますます、きらりシュリンプ人の魅力を増して下さいました。有難うございます。
さて、来月以降のご寄稿頂ける方々のご紹介です。
10月 小谷一明先生 (平成12年4月からお世話になっております。)
11月 39回生 永田(旧姓 伊藤)麻衣子さん
12月 35回生 福山春南さん
1月 40回生 藤田郁さん
2月 39回生 金子愛里さん
3月 渋谷義彦先生 (昭和56年4月からお世話になっております。)
4月 37回生 増田(旧姓 鈴木)瑞穂さん
5月 36回生 徳井(旧姓 五十嵐)智美さん
6月 35回生 野原(旧姓 村田)知子さん
7月 38回生 松井祐香里さん
8月 37回生 土沼麻衣さん
9月 37回生 中村佳美さん
10月 35回生 池乗由佳里さん
11月 41回生 水藻佑花さん
12月 太田貴子さん
1月 39回生 梨本千春(芸名 梨沢千晴)さん
それでは、また来月の24日にお会い致しましょう。ご意見・ご感想・ご要望・この方のインタビューを聞きたい・伝えたいというのがございましたら、シュリンプクラブ広報事務局kentanshrimp@gmail.comまでお寄せ下さい。また突然のインタビューをご依頼するかもしれませんが、どうぞよろしくお願い申し上げます。 シュリンプクラブ広報事務局 16回生 渡部敦子