梅雨明けが待ち遠しいこの頃でございますが、皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

関昭典先生の教え子さんシリーズ、関先生チルドレンイヤー第7人目は双子のママさん、野原知子さんでいらっしゃいます。関先生ご推薦の談のよると「沖縄在住で、結構面白い人生を歩んでいるのですが、本人曰く『書くような大したことがないんですけれど…』だそうです。どんな記事になるか楽しみです。」ということでございます。1年以上前にご寄稿を依頼した時も双子ちゃんの育児で書くお時間が取れるかどうか、気になさっていらっしゃるご様子でした。私の知り合いでも、双子ちゃんを育児した女性は嵐のような日々で、どんな風に過ごしてきたか記憶にないほどだと言っておりましたから、野原さんの貴重な時間を頂いてのご寄稿大変だったと思います。有難うございます。では、野原さん、よろしくお願い致します。

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①学生さん時代はどんな学生さんでしたか?
・不真面目な学生だったと思います。まだ将来就きたい職業なども真剣に考えておらず、『今が楽しければいいや』という考えでした。英語は好きだったので、英語の授業は真面目に受けていたのですが、そのほかの授業は遅刻が多かったのを覚えています。
学業よりもバイトや遊びに夢中になっていました。
そんな中でも、関先生や太田先生とお話をするのが好きでした。先生方のお部屋をよく覚えています。

②県短時代の思い出深いエピソード
・ひとつめは、1年目の夏休み時期に参加した、カナダへの海外研修です。2か月ほどの期間でしたが、初めての飛行機、初めての海外、なおかつ引率なしという環境の中、私はアルバータ大学の寮を借りて生活していました。大学の寮の部屋、食堂、体育館、毎朝通る病院、ロッキー山脈、エルク、担任の先生やクラスメイトなど、あの時見たもの触れたもの、出会った人たち全てが私の人生の宝物になりました。この研修期間中に英語はもちろんのこと、異文化交流やカナダの自然の魅力にすっかり取りつかれていました。
楽しい思い出もさることながら、それまでずっと英語ばかりに力を注いでいたにも関わらず、リスニング、スピーキング力が圧倒的に低かった私にとって、カナダ人の先生の説明が全く聞き取れず、宿題が何か、すら理解できなかったことは大きな試練でした。良いことも悪いことも経験したこの短期語学留学が、卒業後のカナダ留学を決心させる、大きなターニングポイントになったのは間違いありません。
・ふたつめは、関先生の授業での出来事です。前述のとおり、授業に遅刻が多く、なんの危機感も持たず、自分のことしか考えずに生活をしていたある日のこと。あさイチの関先生の授業に相変わらず遅刻をしていった私。静かに自席につき、何事もなかったかのように授業を受けようとしていたその時。先生がそっと私のところへ近づいてきて、そのまま静かな口調でこう言いました。
「このままでいいの?」と。ただそれだけの一言が、それまで自分勝手に生きていた私の心にガツンと響きました。それほど関先生の表情が真剣に見えました。今でも鮮明に覚えているくらいです。その一言ですべてを察し、次の日からはすっかり心を入れ替え、授業は遅刻をしなくなり、英語の勉強にはますます力を入れるようになりました。TOEICのスコアが上がっていったのも、この頃からです。
この出来事はずっと胸にありましたが、関先生には直接伝えたことはありませんでした。この場を借りて、先生には心からの感謝を伝えたいです。本当にありがとうございました。

③近況
・10年前に沖縄出身の男性と結婚をし、それ以来ずっと沖縄生活をしています。
それまでは、新潟やカナダなど、割と寒い地域が好きだったのですが、今はすっかり『南国』沖縄に住み慣れています。
家族については、昨年3月に第2子、第3子となる男女の双子を出産し、1男2女の母になりました。
トータル1年3か月ほどの産休、育休を経て今年の4月に職場復帰を果たしました。
このご時世、運よく保育園に預けられたのはいいのですが、毎週交互に双子が熱を出し、GW明けからは、毎日のように小児科へ通っています。
長女に関しては、細いながらも身体はとても丈夫なので、大きな病気もせずあまり手もかからずここまで育ててきました。
保育園の年長クラスの時、園で力をいれているマーチングのバトンに抜擢されてから、今では習い事として、毎週末は熱心にバトンの練習に打ち込んでいます。チームで大会に出場したり、県内様々なイベントに参加させてもらっていて、家族みんなで応援しています。
バトン好きで頑張っている姉の姿を常に見ている双子は、時々見よう見まねでバトン(のような棒)をくるくると回しています。
そして私は、頑張る娘の為に衣装づくりに励んでいます。裁縫は昔から苦手分野だったのですが、昨年なんとか一着を完成させたことで、だいぶ自信がつきました。娘の頑張りに応え、今現在、別の衣装を作製中です。
仕事と家事、双子の育児+習い事の送り迎えや衣装づくり・・・。気が休まる日がほとんどありませんが、SNSなどで同年代の友人の雄姿を見ていると、「私なんかまだまだだなあ」と思います。みんなの頑張りが、心折れそうになる私の励みになっています。
双子育児は想像以上に大変で、乳幼児期は特に、寝不足で心身ともに辛い日も多々ありました。それでもここまでやってこれたのは、3年生のしっかり者の長女や優しい旦那さん、双子を預かってくれる義両親のお陰です。職場の環境にも恵まれており、保育園から呼出の電話があっても、嫌な顔一つせず、仕事を分担してくれます。沖縄でいう、ゆいまーる(助け合い)精神です。困ったときは助け合うのが沖縄の人々のモットー。いい環境で子育てができていて幸せです。

④これからの抱負
・ゲストルームつきのマイホームを建てること。
現在は築ウン十年の一戸建てのワンフロアで生活をしています。子供も増え、物も増える一方。今後も家族みんなで快適に過ごせるように
マイホームを建てることが目標です。
そこにはゲストルームを設けて、実家の家族や親せき、友達や友達家族がいつでも泊りに来てくれるような、素敵なお家を建てたいです。
・家族で海外旅行に行くこと。
かつてお世話になったカナダの友人、知人を訪ね、家族を紹介したいです。また、家族みんなにカナダの自然や文化に触れてもらい、その良さを伝えたいです。
沖縄からは台湾へ行きやすいようなので、まずは台湾旅行が目標です。
・異文化交流をすること。
英語を使わなくなってから、もう10年近くが経ってしまいました。沖縄には海外からの旅行客が多く、米軍基地もある為、アメリカ人も大勢住んでいます。かつては、基地内の就職面接を受けに行ったり、観光ビューローなどでの面接を受けに行ったりもしていましたが、英会話力が衰えてしまっている今は、もっと気軽に、親子で異文化交流の場へ積極的に参加できたらいいなと思います。

⑤シュリンプ会員にむけて
・関先生に今回のお話をいただいたとき、正直私にはそんなに誇れる経験も資格もなく、刺激的な話ができる自信がありませんでした。お断りしようとメッセージを送ったところ、『沖縄での日常は、新潟の人には非日常だから』『いろんな世界に生きている人を紹介しています』と温かい言葉をかけていただき「そういうことなら・・・」と引き受けることにしました。
言われてみると、沖縄での生活は生まれ育った新潟とは全く違い、とても刺激的です。
そこで、私目線で見た、沖縄ならではのエピソードをいくつかご紹介します。
・台風との付き合い方が上手
年に何度も何度も勢力の強い台風が通過する沖縄。その割に、とても被害が少ないと思いませんか?沖縄の人達は、まず台風対策がバッチリです。台風情報をこまめにチェックし、進路図の見方を熟知しています。そして暴風雨対策や停電・断水対策をしています。台風の通過数が多いわりに被害が少ないのは、この事前対策がしっかりしているからだと感じます。
そして何より、台風一過後の後片付けが驚くほど速いです。週末に台風が過ぎることが多いのですが、週明けはもう何事もなかったかのように一日が始まります。台風に対しては、とてもたくましい沖縄の人達です。
・面倒見のよい子供たち
長女がまだ小さいころ、近所の公園やショッピングセンターの広場に行くと、決まって、見ず知らずの子供が一緒に遊んでくれていました。
おんぶをしてくれたり、一緒に滑り台を滑ってくれたり。女の子だけではなく、男の子もそうでした。沖縄は子供の数、兄弟の人数が平均して多い県です。自分の兄弟の面倒を見ているのと同じように、よその子の面倒も見てくれるという、とても頼もしい子供たちです。
・若者が日常的に英語を使っている
以前、とあるファーストフード店のドライブスルーに並んでいた時の出来事。ドライブスルーの店員さんは高校生らしき男の子でした。お客はというと、その土地がら米軍さんだらけでした。彼らは日本語を話せず、オーダーはすべて英語でしていました。その人達を相手に、店員さんはつたない英語ながらも全く臆することなく英語でやり取りをしていました。その堂々としている姿を見て、とてもたくましく思えました。学校の授業以外で、日常的に生きた英語を使えるなんて、なんて素晴らしい環境なんだろうと感じました。昔、県短の近くでロシア人の男性に道を尋ねられ、舞い上がりながらもドギマギしてしまった自分を思い出しました。

沖縄での発見はこれ以外にもたくさんありますが、どうぞ皆さんも、実際に沖縄に来て探してみてください。
ちなみに私は首里城の近くに住んでいます。見晴らしがよく、とてもいい所です。もしお近くに来た際には、高台から海を眺めながら、私のことを思い出していただければ幸いです。

パワースポット、斎場御嶽(せーふぁーうたき)神様の宿る島【久高島】が見えます

名護の海

新潟の両親と、ブーゲンビリアタワーの前で

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皆様、いかがでしたか?思い切って依頼して良かったです。素敵な内容でしたね。

さて、来月以降の関先生チルドレンイヤーの方々です。

7月 38回生 松井祐香里さん
8月 37回生 土沼麻衣さん
9月 37回生 中村佳美さん
10月 35回生 池乗由佳里さん
11月 41回生 水藻佑花さん
12月 太田貴子さん
1月 39回生 梨本千春(芸名 梨沢千晴)さん

2月からは村上先生からご紹介頂いた平野先生から各学年の方々からシュリンプ人をご寄稿いただきます。皆様、お楽しみになさって下さいね。

2月 平野絹枝先生
3月 23回生 飯田(旧姓 高木)悦子さん
4月 9回生 中田(旧姓 前田)のりさん

きらりシュリンプ人に関しましてのご意見、ご要望、ご感想、この方のインタビューを聞きたい、ご紹介したいというのがございましたら、シュリンプクラブ広報事務局kentanshrimp@gmail.comまでお寄せ下さい。また、突然のインタビューを依頼するかもしれませんが、どうぞよろしくお願い致します。

では、また来月24日にお会い致しましょう。 シュリンプクラブ広報事務局 16回生 渡部敦子