福嶋副学長先生と石川伊織先生

木村友祐さんとご著書(左から発表年代順)

発表する澁谷先生

ポスター発表の部屋の中

左から 荒木和華子先生、澁谷義彦先生、小谷一明先生

皆様、こんにちは。シュリンプクラブ広報事務局、英文16回生 渡部敦子でございます。

本日は昨日(11月3日)に新潟県立大学にて行われた 国際地域研究学会 第9回研究大会に参加してまいりましたレポートでございます。

テーマは「コトバの力」となっていって、どのような語りが世界をよりリアルに描きだされるのかを「19世紀初頭のヨーロッパにおける美術館の形成とナポレオン戦争」と題して石川伊織先生、言葉は目の粗い網のようなものとして捉える青森県八戸出身の小説家、木村友祐さん(何故、第9回研究大会のチラシに猫のイラストが描かれていたのか、なんとなくわかりました。)、そして「シェイクスピアの詩的コトバの力」ーLear’s Cliffはどこにある?ーをテーマに澁谷義彦先生から、ご講演頂きました。企画は10月のきらりシュリンプ人にご登場の小谷一明先生です。皆さんのご講演の後には、石川先生から、実際に美術館に展示されるようになった、美術品となった宗教画の複製のポスター解説をしていただきました。

オープニングは荒木和華子先生の司会により、Howard Brown先生、Melodie Cook先生からの教職課程をとっている学生がカナダでの海外研修を通して、教員としてより良い教育をする為に学んできた事を報告してもらいました。(実際に英語非常勤講師として私立高等学校に勤務している私は、うっ、ちゃんと出来ているかと胸に手を当てて聞いておりました。)

石川先生のご講演では、フランス革命により、教会財産であった宗教画が芸術的な「商品」として流出し、近隣ヨーロッパ諸国が「国民」教育のための美術館建設を盛んにしていった事。ナポレオンによる侵略と美術品強奪から一転、ナポレオン失脚後、略奪した美術品をもとの場所に返却にすることにより、絵画の帰属が必要になった事。美術館での展示が作品の大きさ基準から、現代のような展示方法に変わってきた事をお聞きしました。

木村友祐さんは、助詞一つで雰囲気が変わるコトバは、道具と仰っていらっしゃいました。しかし、実像を表すコトバとは、たくさんコトバを費やせば、相手に自分が思うイメージが浮かぶのかを問いかけていらっしゃいました。お話の中で印象深かったのは、木村さんが、ご実家に帰られた際に、ご家族と話す方言が、体温とともに感情を表すというのを感じられたということと、木村さんの可愛がっている猫達とのコトバを交わさなくても、心が通じるという事でした。終始、真摯な態度で語られる木村さんに同じ寒い地方の実直なお人柄を感じました。木村さんのご著書の印象的なシーンも朗読して頂きました。

澁谷先生からは、シェークスピア時代の演劇、そして、詩的台詞についての解説をお聞きし『リア王』の中の第4幕第6場 ドーバークリフから身を投げて、自殺しようとしている、両目を抜かれたグロスター伯が、百姓に身をやつした自分の息子、エドガーに誘われ、実際には、助かる場面(父親を助けようと、違う場所ではあるが、ドーバークリフをコトバで表し、ドーバークリフと思わせて身の安全を図った)の台詞を聞き、動画を見せて貰いました。その後、江守徹さん演じるリア王の娘コーデリアを演じる、我らが食物の卒業生、岡崎加奈さんの劇中のお写真を見せて頂きました。

コトバの力について、考えさせられた半日でした。

以上、シュリンプクラブ広報事務局(kentanshrimp@gmail.com)英文16回生渡部敦子のレポートでした。

次回は皆様とご一緒にお聞きしましょう。